【R&D】ピックルボール向けレーティングアプリ「HamBuns」αテスト進捗とv2.0.0アーキテクチャ刷新
ピックルボールの練習や大会運営を円滑化する統合型レーティングプラットフォーム「HamBuns(ハンバンズ)」。前回の開発発表から開発を進め、現在は実証実験となるαテストのフェーズへと移行しています。
本記事では、実際のプレイヤーが参加する現場でのテスト運用から得られた知見と、それに基づくアジャイルなUI/UX改善プロセス、そして次世代バージョンである「v2.0.0」へ向けたアーキテクチャの巨大なアップデートについてご報告します。
1. 多様な世代が交わる「亀岡市」でのαテスト始動
前回のR&D記事で構想を発表して以来、開発チームは現場のリアルな課題を抽出するため、開発者自身が運営に関わる京都府亀岡市の小学校体育館での練習会を拠点に、実機を用いたαテストをスタートしました。
このテスト環境の最大の特徴は、参加者の年齢層が20代から60代までと非常に幅広く、スキルレベルも初級者から上級者まで多層にわたる点です。このリアルなコミュニティにおいて、特に「シンデレラマッチ(参加者のレートに基づいた自動対戦マッチング)」機能を中心に、実運用に耐えうるかのテストと検証を繰り返しています。
2. 現場の「生の声」とアジャイルなUI/UX改善
机上の空論ではなく、体育館という現場で実際にアプリを使ってもらうことで、多くの気付きが得られました。HamBunsチームでは、これらのフィードバックに対して即座にプログラムを修正し、デプロイするアジャイルな開発プロセスを実践しています。
アクセシビリティと権限仕様への迅速な対応
- 【Android】文字サイズ設定によるレイアウト崩れ
端末の設定で「文字サイズを大きくする」を使用している年配のユーザーにおいて、一部の機能が画面外に押し出され操作不能になる問題が発覚。即座にフレキシブルなレイアウトへ修正し、すべてのユーザーが快適に操作できるようアクセシビリティを改善しました。 - 【iPhone】カメラ等の「1度のみ許可」仕様への対応
初回起動時の権限ポップアップで「1度のみ許可」を選択したユーザーが、次回アプリ起動時に権限エラーで機能制限に陥るというiOS特有のエッジケースに遭遇。権限の再リクエストフローを見直し、この問題を完全に解消しました。
操作ステップを極限まで削るUXのショートカット化
体育館での短い休憩時間にサクサクと操作できることが、スポーツアプリの必須条件です。「シンデレラマッチの画面に辿り着くまでのタップ数が多い」「点数入力の承認フローで、毎回モーダルを開き直すのが手間」といったリアルな声を受け、ホーム画面に各機能へ直接飛べるポータルボタンと、ワンタップで完了する承認ボタンを新設しました。これにより、現場での操作のタイムラグが大幅に短縮されました。
3. 裏側の巨大なアップデート:v2.0.0と次世代アーキテクチャ
現場でのUI改善と並行して、裏側では将来の爆発的な普及に備えたv2.0.0へのメジャーアップデート基盤の構築が完了しました。
フロントエンドのアーキテクチャを従来の構成から、パフォーマンスと開発効率に優れる「Astro + Svelte + Capacitor」へと全面的に刷新。これにより、ネイティブアプリ(iOS/Android)としての動作の軽快さはもちろん、審査を通さずにアプリを最新化できる「OTA(Over-The-Air)アップデート」のインフラがさらに強固なものとなりました。
また、今後のマイルストーンに掲げている「ギルド(チーム)機能」や「イベント管理機能」を見据え、バックエンド(C# API)にはカレンダーイベントのデータモデルや予約管理コントローラーなどの強固な基盤を既に配備しています。
4. 次のステップ:複数地域でのβテストへ向けて
亀岡市でのαテストを通じて、レーティング計算やシンデレラマッチといった「基本的なコア機能」は十分に蒸留され、実用レベルに達したと確信しています。
現在、チーム内のイベント参加/不参加の出欠管理は外部のチャットツール(LINE等)に依存していますが、今後はこれらの運用もHamBunsアプリ内に統合していく予定です。
そして次なるフェーズとなるβテストでは、京都府内にとどまらず、広島・大阪・滋賀・京都の複数地域へと展開します。各地域のチーム運営者が抱える固有の課題を解消し、ピックルボールコミュニティのインフラとして全国に羽ばたくための検証を加速させていきます。
Wizard Lab R&D Team
